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ミーコワールド

ミーコワールド

大キャンプファイアー

  [大キャンプファイアー]

長生きできないと思われていた私だから父も周りも大して叱らなかった。

「あと何日持つか?」と言われてかろうじて生還してから2年ばかり経っていた。

「公会堂も公園もダメなら川原でやれば壊すものはなにもないさ」

とばかりに サークル仲間と私はキャンプファイアーを計画した。

「どれだけ集められるか?」

駅前でビラを配ったり、労働組合に呼びかけて人集めをした。

当日は現地へ・・という事にしてあった。

国鉄の労働組合の人がファイアー用の枕木を調達してくれるという。

現地へ運んでおいてくれると言った。

そして当日、現地の河原へ行くと見上げるばかりに枕木がやぐらに組んで

積み上げられてあった。 

3メートル以上はあったと記憶している。

集まった人数も三百人を越えている。

夕方から食事をグループ毎に作って食べてそろそろファイアーに

移ろうかとなった時、突然背中が熱くなった。

組み上げた枕木に誰かが火を付けたのだ。

しかも、下から・・・。

枕木というのは油をしこたま吸い込んでいるのですぐ火がついて一度ついたら消えない。

大勢で鍋やバケツで川の水を運んでかけたが消えるどころか

火の勢いは強さを増すばかり・・・。

あせる私達を尻目に火の手は大きくなるばかり・・・。

熱い!熱い!しかしそんなどころではない!

そのうち消防自動車が走ってきた。

そして見ているうちに消し止めてくれた。

「明日朝、責任者は消防署まで来るように」と言い残して帰って行った。

当然、私が行く事になった。

さんざんお説教を喰らった挙句、「勘弁できない」と言われてホトホト困った。

ひとりの消防士が言葉の訛りから「近くの人か」と尋ねるので最初は黙っていたが白状した。

農協へ勤めているおじの名前を言ったとたん相手の態度が一変して

親しみをこめて「そうかい、わしらも兄ちゃんには世話になっとるで・・」という事で どうやら始末書は私の署名だけで許してもらった。

初め、私の事を未成年だと思ったらしい。

やれやれと思って戻ってみると他の人達は楽しそうにゲームをしていた。

が、公務員だとか教師をしている連中は姿がなかった。

今でもゆるさんぞ~~~!


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